10月7日 晴れ

主にHANNIBAL。

【ハンニバル】S1E1:アペリティフ

■あらすじ(ネタバレ)

人と目を合わせることが苦手で、適性検査で落ちてFBI捜査官にはなれずアカデミーの教官を務めていたウィル・グレアムのもとに特別捜査官のジャック・クロフォードが訪ねて来る。目的は最近頻発している連続殺人のプロファイリングへの協力要請だった。

 

《今回の連続殺人事件/通称:「ミネソタの百舌」》

被害者は全員ブルネットの若い女性で、よく似た風貌で背格好も年頃も同じ。

ウィルは犯人には本来向けるべき愛憎の対象が存在し、それによく似た多くの女性像の中に「当たり」が隠れていると分析する。まるでウィリー・ウォンカが山程のチョコレートの中に”ゴールデンチケット”を隠したように。

 

ウィルをジャックが訪ねる直前に起きた9人目の拉致事件の捜査中、彼女の実家で被害者の遺体が発見される。遺体には絞殺痕のほか、鹿の角で何度も刺された跡があった。

ウィルは犯人が被害者に愛と敬意、そして謝罪の意を表していることを分析するが、悪夢にうなされるようになりプロファイリングは思うように進まない。

 

ウィルとも旧知であるFBI顧問のアラーナ・ブルーム博士はそんなウィルを捜査に深入りさせることをジャックに止めさせようとするが、結果として自らの恩師である精神科医のハンニバル・レクターを紹介することとなった。ジャックを介して、レクター博士とウィルは遂に出逢ってしまう。

 

レクター博士は風変わりで純粋なウィルに興味を抱き、彼(を操るため)に「協力」しようとする。

そして起きたのは、まるで10件目と思えるような猟奇的な殺人事件だった。

  

裸の女性を生きたまま肺を取り出し、鹿の角に突き刺して放置するという猟奇殺人現場で、誰もが【ミネソタの百舌】の犯行と確信するが、ウィルはこれは別人の模倣犯だと断定する。百舌にはあった被害者への愛と敬意がこの犯行からは感じられず、まるで豚のように扱っているからと。

そうして、このよく似ているが違う犯人の犯行から、ウィルはかえって「ミネソタの百舌」の犯人像を分析することに成功するのだった。奴は娘がいて、愛しているのはその娘だけ。失うことを恐れている男だと。

一方その頃、レクター博士は趣味である料理に勤しみ、1人でその特別な料理を満足気に味わっていた。

 

捜査は進み、遺留品から犯人は工場で働いていることを推理、ウィルはある工場の従業員資料からひとりの男ホッブスを容疑者とみなす。が、その目を掻い潜って当の容疑者宅へ電話をかけ、「ばれているぞ」と告げるハンニバル・レクター博士。

 

結局、ウィルとレクター博士が到着する直前に容疑者ホッブスは妻を殺害、ウィルの目の前で本当の愛情の対象である娘のアビゲイルの喉を掻き切ってウィルに射殺されるのだった。

 

今回、博士がやったこと

・模倣した猟奇殺人を犯して、その違いからウィルに【ミネソタの百舌】のプロファイリングを進めさせる

・ウィルをさらに追い詰めるためにわざと容疑者の自宅に電話して捜査官が行くことを知らせる→結果としてウィルが殺人を犯すことになる。

  

*****

 

もう1話めから思いっきりレクター博士に操られている世界。 

一見すると博士が何をして、何を目的としているかが見えにくくなっているが、それはすべて彼の策略であり、ウィルが「見えている」と思っているものはすでに博士からそう思わされている。にしてもメリーランド州からバージニア州ウルフトラップまで朝一でお弁当を届けにくる博士、この時点でまだ初対面の直後である(一回しか逢ったこと無い)のが怖い。一途すぎる。

 

ジャックがウィルを「ミネソタの百舌」の捜査に関わらせて、結果としてアラーナの恐れた通りに「深入り」させなければその後の事件はなかったけれど、アラーナがいなければウィルがハンニバルと出逢うこともなかったわけで、このドラマの面白い点は主要な4人(ウィル・ハンニバル・ジャック・アラーナ)がある意味では入り組んだ共犯関係にあるところだ。

 

まだレクター博士を除いて皆が正気の縁にいるのも、改めて見ると懐かしい。